よくある質問

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前立腺がんやHIFU(ハイフ)についてのよくある質問を一挙紹介!

1. 前立腺肥大症と前立腺がんの症状の違いはあるのですか?

両者に症状の違いはありません。前立腺が大きくなって初めて症状が出てきます。特に前立腺癌で症状が出てきた場合は、むしろ進んだ状態と考えるべきです。前立腺癌の早期発見のためには、むしろ無症状の時に積極的にPSA検査をすべきです。日本人男性は、50歳以上になったらPSA検査を受けるようお勧めします。検診や人間ドックの検査項目の中には通常入っていませんので、追加検査してくれるよう頼んでください。1500円~2000円程度で可能です。また、泌尿器科に行く時間がないなら、かかりつけの内科でPSA検査をしてください。


2. 前立腺肥大症といわれましたが、前立腺がんになりやすいのでしょうか?

基本的に、前立腺肥大症と前立腺癌は異なります。前立腺肥大症になったからといって、前立腺癌になりやすいとはいえません。しかし、前立腺癌の場合、前立腺すべてが癌病巣ではなく、前立腺肥大症と合併していることが大半です。前立腺肥大症になったら、必ず一度はPSA検査を受けましょう。


3. 発見時はPSAが100ng/mlで今はホルモン治療で1ng/mlになっていますが、HIFUの適応はあるのでしょうか?

残念ながら、HIFUの適応はありません。またその他の根治的前立腺摘術や放射線療法の適応もないと思われます。なぜなら、現在のPSA値1ng/mlという値はホルモン療法によって一時下がった仮の値だからです。どんな治療も治療前のPSA最大値である100ng/mlを基本として考えます。HIFUの適応は基本的に、PSA値が一番高い時で、20から30ng/ml以下を基本にしています。20~30ng/mlの場合は各担当医に相談してください。残念ですが、100ng/ml以上の場合は、HIFUの適応はありません。


4. 前立腺が60gで大きいといわれましたが、HIFUは可能ですか?

現在のHIFU機器では、前立腺の重さとして40gが限界です。40g以上の場合は、3ヶ月ほどホルモン療法を受けると30g以下に縮小しますので、その後にHIFUを行うようにしています。ホルモン療法を3ヶ月ほど受けても前立腺が40g以下にならない場合は、経尿道的前立腺切除術(TURP)により前立腺の一部を切除したのちにHIFUを施行するようにしています。


5. 前立腺の中に大きな石があるといわれましたが、HIFUは可能ですか?

前立腺の中に1cm以上の結石が認められる場合は、経尿道的前立腺切除術(TURP)により前立腺の一部と結石を切除したのちにHIFUを施行するようにしています。1cm以下の場合は、そのまま治療しています。


6. HIFU後、前立腺はどうなっているのでしょうか?

HIFU後の前立腺は、HIFUで照射された部分は凝固壊死(細胞が死んだ状態)しますので、カス状の細かい組織となって尿と一緒に排出されたり、周囲に吸収され小さくなります。


7. HIFU後、治っているかどうかの目安は?

HIFUのほか、根治的前立腺全摘術、放射線療法、内分泌療法などすべての場合において、血液検査でPSA値を測定することにより治療後の効果を判定します。前立腺全摘術のように前立腺を全部取ってしまった場合は、PSAを産生している前立腺がなくなりますので、もしPSA値が0.2ng/ml以上となったら、骨、リンパ節、吻合部などどこかに再発してきていると判定されます。つまり、骨、リンパ節などに転移した前立腺癌の細胞がそこでまたPSAをつくるため、その一部が血液中に溶け出してPSA値が上昇してきます。一方、HIFUの場合は、前立腺はそのまま残っていますので、残っている正常な部分や前立腺肥大症の組織で産生されたPSAの一部が血液中に溶け出してある程度PSA値が上昇しますが、PSAの正常値とされる4.0ng/ml以上となることはまれです。一般にはHIFU後の前立腺針生検で癌が残っていたり、PSA値が2ng/ml以上上昇した場合を再発と判定しています。


8. HIFUはその日の内に帰れますか?

可能です。これまでに1007例(2009年当時)にHIFUを行いましたが(内田豊昭)、そのうち8例は朝9時ごろ病院に来ていただき、10時から2時間ほどかけてHIFUを行い、その後夕方5~6時ごろに帰宅しました。また現在わが国以外に16カ国でHIFUが施行されていますが、ほとんどが外来治療で行われています。横浜には日帰りHIFUのクリニックもあります。


9. 治療費は?保険がつかえますか?

現在、保険は利かないため、自由診療で行っています。治療費は日本人の場合は初回80~100万円、2回目以降は60万円、外国人の場合は150万円で行っています。これは、検査、入院、HIFU、薬物などすべてのものを含んだ料金です。一見高額のように見えますが、標準的治療法とされる根治的前立腺全摘術は157万円+1ヶ月の差額室料(5000円×30日分=15万円)=170~180万円ほどかかります。ただし、保険が利きますので、3割負担なら50万円、1割負担なら15万円程度払うことになります。また、放射線治療は35回程度の治療が必要ですので、2週間の入院、1~1.5ヶ月程度の通院で200万円程度かかります。これも保険が利きますので、負担割合により、20~60万円ほどの支払いになります。しかし、残りの分は、当然国民全員が払っている国民保険や社会保険から各医療機関に後で支払われています。このことから考えると、HIFUはこれまでの医療費の約半分ですむことになり、かつ外来通院や短期入院で済む画期的な治療法といえます。


10. HIFU後の痛みはどうですか?

HIFU後、治療のそのものによる痛みはほとんどありません。しかし、HIFU後は自分で尿をすることができなくなりますので、2週間ほどゴム製の管が尿道に入ります。この管を入れている不快感や痛み、管と尿道の間からの血液や白っぽいかすが出てくることによる痛みがあります。肛門から入れる痛み止めを処方していますが、その自覚症状は個人差があります。HIFU後2日目に管が入ったままゴルフをした方もいますし、一方自宅でじっとしていたという方もいらっしゃいます。大抵の方は普通に生活や仕事をしています。


11. HIFU後、車は運転できますか?

多くの患者さんは、車で病院にいらしてそのまま駐車場に置き、翌日HIFU、その翌日あるいは翌々日に自分で車を運転して帰って行きます。ただし当日退院の場合は、他の方に運転してもらうか、タクシーで帰った方がいいでしょう。近くのホテルで一泊安静にして自分で帰る方法もあります。


12. HIFUが終われば前立腺がんは治ったのでしょうか?

前立腺癌だけでなく、すべての癌において手術後最低5年間、最初の1年間は2ヶ月ごと、2~5年までは3ヶ月ごとの定期的な通院による経過観察が必要です。また5年経過しても、年に1回のPSA検査は一生続けた方がよいでしょう。


13. 前立腺癌になったら性生活はひかえたほうがいいのでしょうか?

性生活と前立腺癌は関係ありません。癌ということでご夫婦ともに、性生活に対する関心が低下する傾向にあるようです。しかし、私はご夫婦のコミュニケーションのためにも性生活を勧めています。現在、バイアグラ(商品名)、レビトラ(商品名)、シアリス(商品名)などのお薬が利用できます。また薬で効果がない場合は、注射などで勃起させる方法もあります。特に最近は、治療を早期に始めたほうがよいとされています。主治医に気軽に相談して下さい。


14. 前立腺がんになったら注意すべきことは、あるいはならないための予防法はあるのでしょうか?

前立腺癌は、欧米型の生活・食事、例えば肉類、動物性脂肪、牛乳・乳製品と関連しています。ちなみに、米国では発生頻度は非常に高く、男性の癌の発生率の1位、死亡順位でも2位となっています。以上のことから、前立腺癌の患者さんには、和食中心で野菜を多く摂るよう勧めています。玄米食などもいいでしょう。一方、タバコやアルコール、コーヒー、肥満などと前立腺癌との関連はないものと考えられています。


15. 治療費は自由診療ですが、医療費控除の対象となりますか?

対象となります。医療費控除とは、自分自身または同一生計のご家族のために医療費を支払った場合、一定金額を所得からマイナスすることができる制度です。保険の利かない自由診療の場合であっても対象となります。控除の適用を受けるためには、確定申告の手続きが必要となります。年末調整では適用を受けることができません。確定申告には、その年に支払った領収書の添付が必要となりますので、領収書をなくさず保管しておいてください。控除の対象となる医療費は以下の範囲です(詳しくは→国税庁ホームページをご覧ください)。

 1)医師による診療または治療費用
 2)治療に必要な医薬品の購入代金(市販されている医薬品も含まれます)
 3) 通院のために支払った交通費(退院時のタクシー代、電車代、バス代等、ご家族全員の分も合算されますので、交通費の領収書の保管あるいはメモをお勧めします。)

(出典:内田豊昭:前立腺癌治療の最先端-切らずに治す高密度焦点式超音波療法(HIFU)改訂第2版,2009,診断と治療社,一部改変)